残り??日、移ろう季節①
あの衝撃の出来事から僕の日々は急に色づき始めたように思う。
もう歩みを止める言い訳も、迷う理由も考える暇もないくらい、あっという間に日々は過ぎていった。
きっと周りから見たら別人に見えただろうな。
僕自信、あの時を振り返ると誰やねん!って思うくらいだから。
まずはボランティアで色んな人の話を聞きまくった。とっくに50人を超えても止まらなかった。
なんでボランティアに参加してるの?とか
夢とか目標とか何かある?とか
今思えば変人だったり何かのインタビューをしてる人だったり思われたんだろうな。
噂になったのか分からないが、向こうから話してくることが増えたんだ。色んな話を聞いた。
ニートを脱却したいとか、少しでも人の役に立ちたいとか、この土地が好きだからとか。
その中でもビックリしたのが社長がいたことだ。
○○会社っていう日本だけでなく世界的に有名な社長が泥や汗にまみれながらツルハシ振ってたんだ。
多分これが一番ボランティアにいって良かったことだと思う。
僕は勿論話を聞きに行った。すると社長も僕に興味を持ったらしく、二人でツルハシ振りながら話したよ。
面白かった。運良く社長と仲良くなって、今度飯でも行こうって言われて、すっごく嬉しかった。
そこでね、僕は1つ、いや2つのお願いをしたんだよ。僕の友人と会ってくれないかっていうのと、引きこもりの弟をそとに連れ出すのに手伝って欲しい、って。
正直無茶なお願いだった。ダメで元々だったんだ。
社長ね、その話を聞くと一秒もかからず「良いよ」。
「今度連れておいで」って。
飛び上がって喜んだよ。本当に嬉しかったんだ。
僕はすぐにあいつを連れてきたね。
するとさ、社長とすっかり意気投合して僕を置いて話してやんの。
僕は心底あいつに恩を返したいって思ってた。
なにかしてあげたいって、ずっとおもってたんだ。
本当にボランティアに参加して良かった。
あぁ、これで1つ後悔は減ったんだ。